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こころ躍るインタビュー|株式会社マイファーム代表取締役 西辻一真

なぜ、あの人はイキイキしているのだろう? あの人の生き方や考え方に憧れる。あの人と会ってみたい、話してみたい。そんなふうに思うこと、ありませんか? ここでは、JIDLが気になる「こころ躍る」人をインタビューした記事を紹介します。

今回の「こころ躍る人」は・・・西辻 一真さん

自産自消のできる社会を目指して

Q.現在のお仕事(事業)についてお聞かせください
A. 私は株式会社マイファームという企業の代表をしています。私たちの事業は、野菜を自分で生産し自分で消費することで得られる気づきを通じて世界中の人々が自然や他者を思いやれる社会、自産自消のできる社会を目指し、

・ヒト起点として、都市住民に農業を楽しんでいただく体験農園事業と社会人向けの農業学校の運営
・モノ起点として、産地こだわり農作物の販売事業や自社ブランドのお茶、ドリアンの販売
・コト起点として、農業参入を検討する企業のコンサルティングや農水省や地方自治体の公共事業等の受託を通じた新しい農業モデルの構築や地域農業の支援

を行っています。
この3つの起点からの事業がシナジーを生むことで、事業経営への外的影響のリスクを分散しながら事業循環を促進しています。当社では、これを“自産自消の循環の輪”と呼んでいます。

Q. このお仕事を始めたきっかけを教えてください
A. 幼少期から高校までをサラリーマン家庭がマイノリティである、福井県の農漁村で過ごしたことが原体験です。幼少期から家庭菜園で野菜づくりをしていたので、私にとって、農は楽しいしワクワクする対象でした。しかし、高校生になって、地域の農地が耕されずに荒廃している(耕作放棄地)ことにに気づき、農家にとって、野菜づくりや農業が楽しいワクワクする対象ではないんだと言うことを知りました。
京都大学農学部を卒業後、耕作放棄地がどんどん増えていることと、自身の原体験である野菜づくりは楽しく、ワクワクする対象であることへのギャップから、都市部の農地を貸農園にリメイクして都市住民に栽培指導付きの体験農園サービスを提供する事業を起こしました。

Q.ご自身で得意とすることを3つ教えてください
A. 
1.農業界の常識にとらわれず、自然環境も含めて合理的な農業モデルを検討、構築すること
2.スピード感をもって農業界、農村、農業者に必要な課題を解決することと先行者として、業界にそのノウハウ(失敗してしまった理由)を還元すること
3.経営者として、社員やマイファームに関わってくれているメンバーのやりたいことを事業に反映させながら経営を行うこと
です。

Q.仕事をする上で、どういうことを大切にしていますか?
A. 当社採用基準は、「素直・元気・勤勉を基本とし、挑戦しよう」です。マイファームの代表として、またマイファームという会社が成長するためにもこの3つの要素は大切にしています。
また、私たちが作りたいのは自産自消のできる社会であり、そのために農業をはじめとした自然産業に取り組んでいます。農業者がそうであるように、自分たちではどうすることもできない大きな影響(気候の影響や自然災害など)に対して、できるだけ最善の対処を行いながらも、自然や他者に寄り添うことが大切だと考えます。その考え方を常に念頭に置いて、仕事やマイファームの経営を通じて、お客様、ステークホルダーとの約束を果たすことに加えて、社員や当社の事業にかかわってくれているメンバーがやりたいことを実現する器としてマイファームが機能する状態をつくることが私の重要な役割であり、仕事をするうえで大切にしていることです。

Q.これまでのお仕事で、特に印象に残る仕事を教えてください
A. 起業して、最初の体験農園を開園するためにとても多くの農地所有者の方と商談をしたのですが、その当時の自分にまだなにも実績がなかったこと、体験農園サービスの内容がなかなか理解いただけなかったことで、農地をお借りすることができずに苦戦していました。その中で、知人から紹介された谷(現在、当社の監査役)が、まだ何者でもなかった私とマイファームの事業を「おもしろいし、これからの農業界に必要だ」と評価してくれ、体験農園を運営に適した京都の農地の所有者さんを説得してくれました。そして体験農園第1号を開園することができたのです。その時に、マイファームという会社が大きく動き出したととてもうれしく感じるとともに、いろいろな人の信用の上に事業が成立することの重大さを感じました。
また、順調に体験農園事業を展開していたタイミングで東日本大震災が発生したことで、個人としてやりたいと考えることと会社としてやらなければいけないことがかみ合わずに空中分解してしまったことがあるのですが、その時の教訓で、会社の理念であるあ“自産自消のできる社会”を実現するために、急いで一人で行くのではなく、みんなで遠くまで行くことが大事だと考え、私の得意とすることの一つである、社員や関わってくれる皆さんのやりたいことをやるための会社経営を志すことにしました。これらは私にとって人生の大きなターニングポイントになりました。

Q.今後、仕事を通じてやってみたいことはありますか?
A, 事業展開としては、先ほどお話ししたヒト・モノ・コトという3つの起点から、国内はもちろん海外でも展開したいと思っています。特に国内とは異なる海外の課題を解決することで、結果としてマイファームも成長させたいと考えています。
また、自然に寄り添う事業の考え方と自産自消のできる社会という当社の理念を世界中に知ってもらい、世界で大きな循環の輪をつくり、世界の平和に貢献したいと考えています。

--どうもありがとうございました。

12/5 第9回JIDLカレッジセミナーに西辻さんが登壇!↓