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第8回JIDLカレッジセミナー開催

JIDLカレッジセミナー初のフィールドワーク
石坂産業株式会社とのコラボレーションセミナー

JIDLカレッジセミナーは「イノベーションは、いつ誰によって、どんな時に起こるのか」をテーマに開催していますが、第8回目の開催となる今回は、初のフィールドワークを実施しました。
開催場所は、産業廃棄物の処理業を運営している石坂産業株式会社。埼玉県入間郡三芳町の郊外にあります。ここに本社・工場があり、その周りには以前荒廃した雑木林だったところを里山に復元しサスティナブルイールド(三富今昔村)として、運営しています。

石坂産業株式会社は、「Zero Waste Design」を掲げ、循環型社会への転換に取り組んでいる企業。「Zero Waste Design」とは、ごみをごみにしない取組(再資源化)はもちろん、モノづくりの段階からごみにしないことを視野に入れた考え方です。里山保全も環境問題の最前線にいる石坂産業のもう一つの取り組みです。
セミナー参加者には、石坂産業の「Zero Waste Design」に向けたさまざまな取り組みを実際に見学・体感することで、自社の取り組みでや自身の仕事にも「イノベーション」に繋がるヒントを持ち帰ってもらいたいと思い実施したものです。

フィールドワーク、ワークショップ、
トークセッションの三部構成

石坂産業専門スタッフの案内で、工場見学と里山見学。とても分かりやすい説明を聞きながら、貴重な体験。

工場見学
ごみを受け入れ、減量化・再資源化するためのさまざまな工程を見学し、技術的な部分・職人的な部分等初めて見る・知ることが多く、驚きの連続でした。
ごみをごみにしない取組=減量化・再資源化98%は驚きの数字

里山見学
復元された里山は、かつて不法投棄が行われ荒廃した雑木林だったとは思えない、多くの動植物が生息するくぬぎの森をはじめ、自然と触れ合う事が出来る心地良い空間。
大事だとはわかっていても、つい自分とは関係ないと思ってしまう「環境問題」や「ごみ問題」私達に何ができるのか、これからのあるべき姿に気づかされる時間となりました。

昼食を挟んで、最初は、石坂産業プレゼンツのワークショップを行いました。

個人ワーク
本日の気づきのアウトプット=自身が気づいた事、特に印象深かったことを書き出す

グループワーク
視点の共有=グループ内で各自発表し、他の方に共感した点や新たなアイディアを共有。
産業廃棄物処理業者としての使命感、会社全体で同じ方向に向かっている一体感、従業員一人ひとりのモチベーションの高さ、ごみを処理する側だからこそ言えるものづくりの段階からごみを出さない取組、この取り組みを他の産廃業者にも広めていく難しさなど、さまざまな意見が出ました。

続いてここからは、JIDLカレッジセミナーとしてのプログラムということで、池野理事長・石坂産業社員(3名)のトークセッションです。
ワークショップで皆さんから出てきたキーワードをスクリーンに表示し、池野理事長が社員の方に質問を投げかけます。役割も年齢も違う3名の方は、即答に困る質問もありましたが、それぞれの立場でお答えいただきました。自分たちの仕事に対する強い思いややりがいを感じられる内容でした。
又、池野理事長は、受講者にもマイクを向け、各社の取組や抱える問題等も聞き出しながら、石坂産業の取組を是非、自社に持ち帰って、社内に発信するよう投げかけました。

予定外の石坂産業社長と池野理事長との
トークセッションの展開に
受講者にとっては、社長の熱い思いに
触れる事ができ大満足

ワークショップが始まる前に、石坂典子社長が会場にお越しくださり、一言ご挨拶をいただきました。
その後、池野理事長が突然、石坂社長を前に呼び出し、予定外の石坂社長と池野理事長とのトークセッションの展開に。
石坂社長のお話を直接聞く機会はなかなかないことなので、受講者にとっては、嬉しいサプライズとなりました。
石坂社長が、この再資源プラントや里山再生に取り組んできたことへの思い、企業としての責任・使命、継続し続ける信念、従業員に対する教育の秘訣、お客様を教育する事も大事、など社長としてやり続けるべき事を短い時間でしたが、熱い言葉で話していただきました。

NIMBY(not in my back yard=私の家の裏には御免)と呼ばれる産廃業社が、何故、ここまで
信頼される企業になったのか

石坂産業は現在の大量生産・大量消費から年々増加し続けるごみの量、天然資源の使用量を危惧し、「Zero Waste Design」を掲げ、ごみの減量化・再資源化はもちろん、ごみ事態を出さない仕組みづくりによって、あらゆるごみを循環させる循環型社会を目指しています。ごみの減量化・再資源化98%という数字は、世界トップクラスです。
本日のフィールドワーク、トークセッション、石坂社長のお話をお聞きして、受講者の皆様には、石坂産業の取組から多くの事を学び、気づきを持ち帰ってもらい、自社又は自身の「イノベーション」を起こす行動に繋がるヒントを掴んでいただけたのではと思います。

今回は今までにない体力も使い、汗もかきながらの初めてのフィールドワークとなりましたが、受講者の満足度は高かったのではないでしょうか。
「イノベーションは、いつ誰によって、どんな時に起こるのか」をテーマに掲げて開催している、JIDLカレッジセミナーですが、今回の石坂産業株式会社の「ごみを単なるごみで終わらせない」という強い信念から、多く
の事を実践し取り組んでいる姿は、改めて自分達にもできる事・やるべきことがあるという事に気づかされたのではないでしょうか。
「人・まちを元気にする」JIDLのビジョンにも今回の気づきを今後の取組に繋げていきたいと思います。