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第五回 JIDLカレッジセミナーを開催!

2023年9月15日(金)に、第五回JIDLカレッジセミナーを開催いたしました。
今回の会場は羽田空港第一ターミナル・ギャラクシーホール。素晴らしい眺め、美味しい食事、前のめりで聴きたくなる講演やパネルディスカッション・・・だけではありません。恒例になりつつあるワークショップも行いました。JIDLカレッジセミナーは、その名の通り、話を聴くだけではなく、カレッジのように考えたり悩んだり発表したりするのが特徴です。そしてここからイノベーションのヒントを見つけていこうという考えです。
今回のプログラムは、第一部は「出張料理人が巻き起こす、食と地域のイノベーション」をテーマに出張料理人・現代美食家であるソウダルア氏の講演。第二部は、「機能とおいしさを兼ね備えた『食』のイノベーションの軌跡」をテーマに当会の理事長・池野と、株式会社マザーレンカ 代表取締役社長の池田 貴子氏によるパネルディスカッション。そして「きくらげパウダー」という商品を使った新しいアイデアを考えるワークショップです。


第一部 講演
タイトル:『出張料理人が巻き起こす、食と地域のイノベーション』
登壇者:ソウダルア氏(出張料理人・現代美食家)

●錬金術師が不老不死を実現する!?

コロナが落ち着いた以降、やっと日本各地をはじめ世界各国に行けるようになり、最近は、ウクライナやポーランド、チェコへ行きました。
チェコといえばアルケミスト(錬金術師)が有名です。錬金術は金を他の金属から作るというイメージがありますが、本質的には世の中のあらゆる物をより完全な存在に近づけることを意味し、人で例えるなら不老不死がそれに当たります。そして錬金術を極める過程で新しいお酒や新しいレシピなどが生まれたと言われています。アルケミストとは、アートとケミストリーをくっつけた言葉。時代が進むなかでさまざまなことが細分化されたと私自身は考えています。
錬金術と不老不死のことを話し始めると1時間では終わらないので、ここまでにします(笑)。

●「いただきます」と「ごちそうさま」という言葉について考える

日本には「いただきます」と「ごちそうさまでした」という素晴らしい言葉があります。
「いただきます」は「あなたの命を私の命に代えさせていただきます」という意味。自然からいただいた命を自分の体に取り込み日々の生活のエネルギーになっていきますので、命を自分に授けてくれた自然に感謝しましょうということだと考えています。
「ごちそうさま」は、漢字で馳せ、走ると書きます(ご馳走様)。さまざまな食材をさまざまな人が育て、集め、運んでくれたことへの感謝、つまり人々への感謝です。家庭に届くまでに生産者から流通の人まで何百人、もしかしたら何千人という人々が関わっているので、食事の締めくくりにはきちんとこういった方々へ感謝しましょう、ということです。
こういうことをより深く考えるようになったきっかけは東日本大震災です。それまでも各地域の食材を使うことをしていたのですが、実際に使わせていただいている食材の地域に足を運んだことがほとんどありませんでした。しかし東日本大震災で地域の存在というのを改めて考えるようになり、生産者さんとよく会うようになりました。

●食材だけでなく食べ方も考えて料理する

私は出張料理人なので、料理を提供するだけでなく、その地域らしいく食べ方を提案する場合もあります。普段、皆さんはお箸やフォークなどを使って食事をすると思いますが、地域や料理によっては手で食べることを勧めます。また、地域によってお花を食材に使う場合もあります。その地域の生態系を知り、その地域らしい“あしらい”を考える。そしてその料理をどのように食べるとより美味しく感じるか、どのように“いただくと良いのか”・・・。食べるという行為の初めから最後までが料理だと私は考えています。
しかもただ単に食べるのではなく、誰と食べるのか、どこで食べるのかなど、シチュエーションを非常に大事にしています。今回のJIDLカレッジセミナーの会場は、食事をしながら羽田空港全体が見渡せ、飛行機の発着も見ることができます。また、さまざまな業界のさまざまな立場の人と食事をしていますよね。同じ料理を食べても、シチュエーションが違うと感じる味も違うのではないでしょうか。

●食材だけでなく食べ方も考えて料理する

日本各地には、お祭りという地域文化が感じられるイベントがありますよね。五穀豊穣に感謝したり、健康を願ったり、お祭りにはさまざまな趣旨があります。もともとはお祭りの日は毎日食べるような料理ではなく、地域の人たちがその地域の食材で非日常の料理をすることが多かったのですが、最近はお祭りのときでもその地域らしい食材をあまり使わない傾向があります。
そういう気持ちが私の中にありましたので、コロナ禍に日本各地のいろいろな人とオンラインで「お祭りの原点に立ち戻るようで新しいお祭りを作りたいね」という話になり、羅臼町の人をはじめ、多くの方と「シャケサミット2022」を作り上げました。このお祭りはシャケに関係する人が多くかかわっているものですが、このほかにも新潟県十日町など、いくつもの地域で、その地域らしい“新しいお祭り”に料理を通じて関わらせてもらっています。

●「美味しいには国境はない」を理念にこれからも活動していく

日本各地、世界各国に行って、さまざまな文化に触れ、料理を作っている経験しているからこそ実感していることがあります。それは「美味しいには国境はない」ということです。これには2つの意味があります。
一つは、『美味しいものというのは、人種の壁を超えて分かち合える』ということです。
もう一つは、美味しいという料理を作る上で、日本料理、フランス料理、中国料理などという枠を超えて「美味しい」という気持ちを共有し、混じり合うことで“新しい美味しい”と出会えると感じています。
これからもこの考えを大切に、出張料理人としてたくさんの“美味しい”を作っていきたいと思います。

第二部 パネルディスカッション
タイトル:『機能とおいしさを兼ね備えた『食』のイノベーションの軌跡』
登壇者:池野理事長、池田 貴子氏(株式会社マザーレンカ 代表取締役社長)

●チョコレートに関わる食に就くまで、さまざまな業界を渡り歩いた

(池野理事長=以下、池野)池田さんは今でこそ食に関するお仕事をしていますが、それまではいろいろな業界でお仕事をしてきたと聞きました。具体的にはどんな仕事をしてきたのですか?

(池田氏)細かく説明していくと肝心なチョコの話ができませんので(笑)、かいつまんで経歴をお話ししますね。
社会人時代の初期は池坊というところで華道師範をしていましたが、その後、投資会社レーサムリサーチ社に入社しました。そこで社長室、マーチャントバンキング部などを経て、(旧)グランドオーシャンホテルズ代表取締役社長、その後、アパリゾートの執行役員社長に就任し、2008年に現在社長を務めているマザーレンカを創業しました。

(池野氏)初めは華道の師範、つまりお花の先生ですね。次に不動産投資、そしてホテル業界、食の業界ということですよね。私はいろいろな経歴を積んできた人を知っていますが、そのなかでも池田さんはかなり特異です。違う業界を渡り歩き、しかもどのステージでも活躍していらっしゃる。こんな人はほかにあまり知りませんね。なぜ、このような経歴となったのでしょうか。

(池田氏)華道の師範をしているとき、小さな会社を経営していた父が急死し、その会社が他の方の手に渡ってしまいました。予期せぬ形で父が大切にしていた会社を手放すという経験をしたこともあり、漠然とではありますが、いつかは私も起業しようと思いました。しかしいわゆる会社勤めの経験もない私は、世の中を、社会を全然知りません。起業するためにはもっと世の中を知ろうと思い、ベンチャーの不動産投資会社に入社しました。

●ベンチャー企業で働き、起業のノウハウを見つけていった

(池野氏)ベンチャーなら起業するときのヒントや、今の社会のことを分かるのではないか、と考えたからでしょうか?

(池田氏)おっしゃる通りです。この会社が上場する直前くらいから上場後まで勤めたのですが、経営者の横で勉強できたことは、今の私に生かされていて、とても良い経験をしました。仕事はとても大変でしたけれど(笑)。

(池野氏)いわゆるブラック企業?

(池田氏)まさにそんな感じです。大きな声では言えませんけど(笑)。

(池野氏)みんなしっかり聞いていますよ(笑)。でも今だから笑って話せるのでしょうね。
そして不動産投資会社の次は、ホテル業界に移ったんですよね?

(池田氏)はい。縁あって沖縄にあるリゾートホテルを経営する会社に入社し、代表取締役として経営再建するということがミッションでした。とはいえ、経営再建するには宿泊してくださるお客様が来ないことには始まりません。広告などによって集客できればいいのですが、そういうことに使える予算はほとんどありませんでしたので、地元紙のコラムに執筆して魅力を伝えたり、メディアの方をお招きして体験してもらったり・・・こういうことにより少しずつお客様が増えていきました。1年間だけという限定で引き受けたのですが、結果として2年半くらい、いましたね。そして縁あってさらにアパリゾート株式会社の執行役員社長に就任しました。

(池野氏)すごい行動力ですよね。しかし、投資コンサルタント会社とホテルでは全然違う業界ですよね。

(池田氏)確かに経営といういう意味ではホテル業界ではありますが、特にアパリゾートは不動産に近い考えなので、あまり違和感はありませんでした。

●美味しくて健康に良いベルギーのチョコレート会社との出会い

(池野氏)ここからさらに全く違う食の業界に・・・。どんなきっかけだったのでしょうか。

(池田氏)メディアの方をホテルにお招きする際、食に関する企画の受けが良かったこと、そして私も食べることが大好き、ということが理由です(笑)。堂々と話せるほど強い思いがあったわけではないのです。結構単純な発想です。

(池野氏)だんだん、池田さんという方の魅力が見えてきました。ついつい前のめりで聞いてしまう自分がいます。
ところで食関連の中でもいろいろあったと思うのですが、なぜチョコレートにしたのでしょうか。まさかチョコレートが好き、ということが理由ですか?

(池田氏)図星です(笑)。でもそれだけではありませんよ。あまり人に知られていないものを見つけて伝えたいという気持ちが頭の中にあり、そんなときに、のちに弊社が扱う『ドクターズチョコレート』の原材料や製造方法と出会い、その価値にすごく感動したからです。

●チョコレート一粒だけで得られる幸せ

(池野氏)チョコレートは昔から万能薬と言われることもありますよね。抗酸化作用であったり代謝のサポートであったり・・・。

(池田氏)そうですね。さらに言うと、チョコレートは食べるだけで“ちょっとした幸せ”をもたらしてくれるということがあると思うんです。会社の机にチョコレートが入っている、という人、結構いらっしゃるのではないでしょうか? 美味しくて、しかも幸せな気持ちになれる。チョコレートは本当に最高です。

(池野氏)まさに、こころ躍る、ですね!
『ドクターズチョコレート』はどういうところが特徴なのでしょうか。

(池田氏)やっとこの話ができますね(笑)。『ドクターズチョコレート』は砂糖不使用。低カロリー甘味料 “マルチトール”という成分を使用しています。マルチトールのカロリーは砂糖のおよそ半分と低く、しかも体に吸収されにくいので血糖値が上がりにくいことが特徴です。ですので、糖尿病の方やメタボリックの方にもおすすめできます。

(池野氏)先ほど、『ドクターズチョコレート』をいただいたのですが、とても美味しかった。ついついたくさん食べたくなるほどです。しかし美味しいだけでなく最高級のチョコレートを原材料に、低GI、低カロリー、コレステロールゼロと健康に良い。年間50万個を売り上げるヒット商品と聞いてはいましたが、ヒットする理由を体験した気がします。

(池田氏)ありがとうございます。美味しくて健康に良い。だからこそ多くの管理栄養士や薬剤師の方からも推奨され、10000を超える調剤薬局と1000を超える病院およびクリニックにて、取り扱われているのだと思います。

(池野氏)ウエルシアの調剤薬局でも取り扱っています。おかげさまで評判もいいですよ。

(池田氏)お世話になっております。

(池野氏)今後の展望はありますか?

(池田氏)人生100年時代と言われる中、いかに健康寿命を伸ばすかは大切なことだと思っています。その点、『ドクターズチョコレート』は健康寿命を伸ばすことに貢献できると信じています。
おかげさまで『ドクターズチョコレート』は少しずつ知られるようになってきましたが、まだまだ多くの人は知らないし、商品があることを知っていても価値を知らない方もいらっしゃいますので、周知活動は積極的にしていこうと思っています。それと、病気を発症していないがなんとなく不調という、いわゆる未病の方もたくさんいらっしゃいますので、こういった方ににも積極的に食べていただき、ちょっとした幸せを感じる人を増やしていきたいです。

(池野氏)ぜひ一緒に頑張っていきましょう! ありがとうございました。

スペシャルプログラム グループディスカッション
タイトル:『きくらげパウダーをあなた(会社)はどういう活用する?』

JIDLカレッジセミナーに参加した方によるグループディスカッションのテーマは『きくらげパウダーをあなた(会社)はどういう活用する?』。「きくらげは中華料理の一部にあるもの」「主役になれない」などという固定概念を壊し、いかに社会が欲するものにするか、を考え合う内容です。
まずじっくり考える前に一人ずつ1分間で思いつくままにキーワードを絞り出す「0秒シンキング」を実施。その後各テーブルで話し合い、発表するという方法で実施しました。
今回は、ゲストで登壇してくださったソウダルア氏、池田貴子氏も一緒に考え、発表してくれました。
各テーブル、ゲストのお二人、それぞれとてもユニークなアイデアが発表されました。

毎回新しい発見とイノベーションのタネが見つかるJIDLカレッジセミナー。 なお次回のJIDLカレッジセミナーは12月7日(木)。会場は東京・日本橋の水戯庵(すいぎあん。https://suigian.jp/)で開催します!