アル・ケッチァーノ 奥田政行シェフに聞く「地球視点で時を知り、時を食す」
日本各地には、美味しいものがたくさんあります。
しかし、同じ美味しいものでも、例えばイタリア産と国産では味が違います。さらに言えば、国内でも地域によって味が違います。これは当然のことで、その地域の気候や土壌、季節感が違うからです。
ところで、季節と季節感は何が違うのでしょう。アルケッチャーノ・奥田政行シェフによると、季節とは、太陽と地球の位置関係によって定められ、二至二分(春分、夏至、秋分、冬至)、四季の四立(立春、立夏、立秋、立冬)で分割され、主に一年を二十四に当分した二十四節気に振られているものです。これは全国どこでも同じ時に定められている太陽暦の考え方です。
一方、季節感とは、地域特性によって違いがあり、体感的な移り変わりです。
暦の上で四季は四等分されていますが、実際には北国と南国で四季それぞれの長さは違います。これは地球視点です。
この季節感を庄内地方の二十四節気に沿ってとらえたのが、「庄内の二十四の風の季節」(下の図)です。これは、杉山開知氏が考案した『地球暦』を、奥田政行シェフが監修したものです。
ここで紹介したものは庄内にスポットを当てていますが、ぜひこの考え方を参考に他の地域に当てはめ、その地域地域の季節や季節感を知り、ビジネスや勉強に活用してください。
図1
図の真ん中が四季、その外に季節感(風の季節)があります。さらにその外に二十四節気に分けられ、時の食材が記されています。
食材は円の中心に近いほど歴史がある食材、外にあるほど歴史が比較的浅い食材です。
図2
庄内の二十四の風の季節 野菜の一年
円の中心から、「在来作物」「一般作物」「果実」「季節もの」「シェフの分類」です。