「良いもの探訪記」 Vol.4島田市
前書き
「良いもの探訪記」は、日本医食同源研究所が気になる“良いもの”に会いに行くコーナーです。なぜこの地域にこの食材があるのか、地域にどのような根付き方をしているのか、どのように良いものなのかをご紹介していきます。
■リーフ茶を楽しむ人が減っている⁉
今回訪ねたのは、静岡県島田市。以前にも訪ねたことがある島田市に今回訪ねたわけは、緑茶の消費量は増えているものの、リーフ茶(茶葉の状態のお茶)の消費量は減少しているという情報を聞いたからです。
「最近は急須を持ってないご家庭が増えていることで茶葉からのお茶を飲む人は減っています。一方で、いつでもどこでも手軽に飲めるので、ペットボトルでお茶を飲む人が増えています。しかしお茶本来の価値、味を楽しむならば、リーフ茶(茶葉から淹れたお茶)で飲んでほしい」と話すのは、100年以上前に創業した丸七製茶の営業部長・増田さん。
忙しい毎日でゆっくり茶葉からお茶を淹れる時間はない・・・だからこそ、お茶の味と香りでリラックスしてほしいそうです。製品や茶葉によって差はありますが、ペットボトルよりリーフ茶のほうが、テアニンがとても多く含まれているので、よりリラックス効果、睡眠の質の向上が期待できるといわれているので、ぜひリーフ茶を飲んでほしいということでした。
■“本来のお茶の味”をつないでいきたい
日本はお茶大国で生産量も多いと思われがちですが、お茶の生産量は世界中で生産されるうちの、およそ3%しかありません。
「日本で一・二を争うほどの生産量を誇る島田市で、長年お茶に関わる仕事をしている私たちだからこそ、日本茶OEM製造で日本トップクラスの生産量を誇る私たちだからこそ、先頭をきって、日本茶の付加価値を高める取り組みを増やし、日本茶の本来の味を未来へつなぎていきたい」(増田さん)。
その一つが抹茶を活用した商品。抹茶は、豊かな香りと、苦みの中にもほのかな甘みをもつ深い味わいが特徴の緑茶の一種。丸七製茶では、取り組みの一つとして、今までにない7段階の濃さを選べる抹茶ジェラートを作り、“世界で一番濃い抹茶ジェラート”として販売。美味しいことはもちろん、食べ比べができるので若い人にもとても好評とのことです。
今や抹茶は日本のみならず、「Matcha」として世界に広がりつつあります。記事の冒頭でリーフ茶の消費量は減少しているとお伝えしましたが、お茶の価値がこれまで以上に伝わっていけば、きっと現状は改善すると感じる、島田市への旅でした。