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「緑茶のリラックス効果」〜管理栄養士と覗く健康トレンド〜
このシリーズでは、JIDLの管理栄養士が巷で話題の健康トレンドや食事についての情報を発信していきます!
緑茶は、日本人の生活に深く根付いた飲み物です。その爽やかな香りと味わいは、私たちに安らぎと活力を与えてくれます。近年、緑茶に含まれる成分の中でも、特に「テアニン」というアミノ酸に注目が集まっています。テアニンは、緑茶特有の旨味成分であり、私たちの心身に様々な良い影響をもたらすことが分かってきました。この記事では、緑茶とテアニンの関係について、その効果や摂取方法などを詳しく解説します。
テアニンとは
テアニン(L-テアニン)は、緑茶や玉露、煎茶などの茶葉に多く含まれるアミノ酸の一種です。特に、緑茶の独特な旨味や甘みを生み出す成分として知られています。1949年に日本で発見され、その後、様々な研究によってその生理作用が明らかにされてきました。
テアニンは、脳の神経伝達物質に影響を与えることが分かっており、リラックス効果や睡眠の質の向上、集中力の向上など、様々な効果が期待されています。
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テアニンの効果
テアニンには、以下のような効果が報告されています。
リラックス効果とα波の誘発
テアニンの最もよく知られた効果の一つが、リラックス効果です。テアニンを摂取すると、脳波にα波(アルファ波)と呼ばれる脳波の出現が促進されることが研究で明らかになっています。α波は、私たちがリラックスしている状態、例えば瞑想中や穏やかな休息時などに現れる脳波です。このα波の増加により、緊張や不安が和らぎ、心身がリラックスした状態へと導かれます。この効果は、テアニン摂取後30分~1時間程度で現れると言われています。
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睡眠の質の向上
リラックス効果と密接に関連するのが、睡眠の質の向上です。テアニンは、入眠をスムーズにし、睡眠時間を長くする効果、特に中途覚醒を減らす効果が期待されています。睡眠薬のような強制的な睡眠導入ではなく、自然な眠りをサポートする点が特徴です。寝る前にテアニンを含むお茶を飲むことで、心身がリラックスし、より質の高い睡眠を得られる可能性があります。
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ストレス軽減作用
現代社会において、ストレスは様々な健康問題の原因となっています。テアニンは、ストレスを感じた際に分泌されるコルチゾールというホルモンの上昇を抑制する可能性が示唆されています。これにより、精神的なストレスだけでなく、身体的なストレスの軽減にも役立つ可能性があります。
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緑茶の種類とテアニン含有量
緑茶には、煎茶、玉露、抹茶、かぶせ茶など、様々な種類があります。テアニンの含有量は、茶葉の栽培方法や製法によって異なります。
一般的に、日光を遮って栽培される玉露や抹茶は、テアニン含有量が多いとされています。これは、日光を浴びることでテアニンがカテキンに変化するためです。
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緑茶の美味しい淹れ方とテアニンの効果的な摂取方法
テアニンを効果的に摂取するためには、以下の点に注意して緑茶を淹れると良いでしょう。
低温で淹れる: 高温で淹れると、苦味成分であるカテキンが多く抽出されてしまいます。テアニンは比較的低温でも抽出されやすいため、70℃程度の湯で淹れるのがおすすめです。
抽出時間を短くする: 長時間抽出すると、カフェインが多く抽出されてしまいます。抽出時間は1分程度を目安にすると良いでしょう。
玉露や抹茶を選ぶ: テアニンを多く摂取したい場合は、玉露や抹茶を選ぶと良いでしょう。
緑茶を飲む際の注意点
緑茶は健康に良い飲み物ですが、以下のような点に注意が必要です。
カフェインの過剰摂取: 緑茶にはカフェインが含まれているため、過剰摂取は不眠や動悸などの原因となることがあります。特に、カフェインに敏感な方は注意が必要です。
飲み過ぎによる鉄分吸収阻害: 緑茶に含まれるタンニンは、鉄分の吸収を阻害する可能性があります。貧血気味の方は、食事中や食直後の緑茶の飲み過ぎに注意が必要です。
薬との飲み合わせ: 薬によっては、緑茶との飲み合わせに注意が必要な場合があります。薬を服用している場合は、医師や薬剤師に相談することをおすすめします。
まとめ
緑茶に含まれるテアニンは、リラックス効果や睡眠の質の向上など、様々な効果が期待できる成分です。緑茶を日々の生活に取り入れることで、心身の健康維持に役立ててみてはいかがでしょうか。ただし、カフェインの過剰摂取や薬との飲み合わせなど、注意点もいくつかありますので、適切な摂取量を守り、健康的な緑茶ライフを送りましょう。
この記事が、緑茶とテアニンについての理解を深める一助となれば幸いです。