【記事】「美容と乾燥肌」〜JIDL管理栄養士と覗く健康トレンド〜
このシリーズでは、JIDLの管理栄養士が巷で話題の健康トレンドや食事についての情報を発信していきます!
■美容と乾燥肌
冬や季節の変わり目に悩まされがちな乾燥肌。化粧品や保湿クリームだけでなく、食事やライフスタイルを見直すことでも肌の状態を改善できます。ここでは、管理栄養士の視点から乾燥肌を防ぐための食事法や健康トレンドについてご紹介します。
乾燥肌の原因
乾燥肌は、外部要因と内部要因が重なり合うことで引き起こされます。外部要因としては、湿度の低下や寒冷な気候が挙げられます。一方、内部要因としては、栄養の偏りや水分摂取不足、ストレス、ホルモンバランスの乱れなどがあります。
食事で乾燥肌を改善するポイント
1.オメガ3脂肪酸を摂る
必須脂肪酸であるオメガ3脂肪酸は、細胞膜の健康を保ち、肌を内側から潤す役割を果たします。サーモンやイワシなどの青魚、チアシード、アマニ油がおすすめです。
2.抗酸化物質を意識 (抗酸化作用)
活性酸素*が肌細胞にダメージを与えるのを防ぐため、抗酸化物質を多く含む食材を取り入れましょう。例えば、ビタミンCが豊富な柑橘類やキウイ、ビタミンEを含むナッツやアボカド、さらにポリフェノールを含むベリー類やカカオなどが効果的です。
*活性酸素とは
活性酸素は、酸素が不安定になって反応しやすくなったものです。体内で自然に発生しますが、増えすぎると細胞を傷つけて健康に悪影響を与えることがあります。
■活性酸素が増える原因
・ストレス
精神的、身体的なストレスが増えると、体内で活性酸素が多く発生することがあります。
・ 紫外線
紫外線(UV)を浴びることで、皮膚や細胞内で活性酸素が生成されます。
・ 喫煙
タバコの煙には有害な化学物質が含まれており、これらが体内で活性酸素を増やします。
・ 過剰な運動
激しい運動により、体内での酸素消費が増えるため活性酸素が過剰に発生することがあります。
・不規則な食生活や栄養不足
不規則な食生活や栄養不足が続くと、抗酸化物質が不足します。すると、活性酸素を中和する力が弱まり、体内での活性酸素が増えやすくなります。
・ 環境汚染
大気汚染や化学物質も活性酸素の生成を促進する要因となります。
活性酸素が過剰になると、細胞を傷つけ、老化や病気の原因となることがあります。先ほど紹介した抗酸化物質(ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールなど)を摂取することが、これを防ぐ方法の一つとされています。
3.ビタミンAを摂る
ビタミンAは、肌のターンオーバーを促進し、健康な皮膚を保つのに役立ちます。にんじん、ほうれん草、かぼちゃなどの緑黄色野菜に多く含まれています。
*ビタミンAは、抗酸化物質(抗酸化作用)でもあります!
4.水分とミネラルのバランス良く摂る
水分を十分に摂ることはもちろん、亜鉛*を中心としたミネラルを適切に摂取することで、肌の健康をサポートできます。亜鉛は新しい細胞の生成を助け、乾燥肌の改善に役立ちます。具体的には、牡蠣、赤身の肉、カボチャの種、豆類などが良い供給源です。これらを取り入れることで、体内の水分保持能力も高まります。
*亜鉛は、抗酸化物質(抗酸化作用)でもあります!
5.たんぱく質を意識的に摂る
たんぱく質は肌の修復や新陳代謝を助けるため、肌の健康には欠かせません。コラーゲンの合成にも必要な栄養素で、良質なたんぱく質を摂取することで乾燥肌の予防や改善が期待できます。鶏肉、魚、大豆製品、卵、乳製品などをバランスよく摂ることが重要です。
6.腸内環境を整える
腸内環境が整うと栄養の吸収が良くなり、肌の状態も改善されます。発酵食品(ヨーグルト、キムチ、納豆)や食物繊維を含む野菜や全粒穀物を意識的に摂りましょう。
健康トレンドから学ぶ乾燥肌対策
1.コラーゲンブーム
健康や美容に効果が期待できる1日あたりのコラーゲンの目安量は5~10gとされています。
コラーゲンペプチドを含むサプリメントやドリンクが人気です。食事から摂るなら手羽先や牛すじ肉、魚の皮が効果的です。
体内でアミノ酸からコラーゲンが生成される際、そのサポート役となってくれる栄養素があります。それは 「ビタミンC」や「鉄分」です。
ビタミンC
柑橘類やキウイなどの果物、パプリカやブロッコリーなどの野菜に豊富。
鉄分
赤身の肉や魚、貝類、大豆製品、小松菜やほうれん草などの野菜に豊富。
コラーゲンを摂取する際はこれらの食材を活用したり、ドリンクやサプリメントを購入する際はビタミンCや鉄分も一緒に配合されている商品かどうかチェックしてみてください。
2.マインドフルネスとストレス管理
ストレスは肌のバリア機能を低下させる(活性酸素を増やす)ため、マインドフルネスやヨガといったメンタルケアも乾燥肌対策に有効です。特に深呼吸や瞑想でリラックスする習慣を取り入れましょう。
まとめ
乾燥肌対策は、化粧品だけでなく体の内側からのアプローチも重要です。栄養バランスの取れた食事を意識することで、内側からも潤いのある肌を目指しましょう。また、適切な水分摂取やストレス管理も忘れずに。例えば、1日2リットルの水を飲むことや、深呼吸を取り入れた簡単な瞑想を毎日5分実践することで、肌と心の両方に良い影響を与えることが研究で示されています。
日々の生活に少しずつ取り入れることで、健やかな肌を保つ習慣が身につきます。
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